みんな知っている韓国の「パンチャン」——でも、どう食べるかは意外と知られていない

Korean baekban meal with rice, soup and several banchan side dishes

韓国料理のおかず(반찬, banchan)は、今では海外でもかなり知られるようになった。

それでも韓国の食堂に実際に入ってみると、少し戸惑うかもしれない。

注文していない小皿が先に並ぶ。頼めば追加でもらえることも多い。メイン料理とあまり関係がなさそうなおかずまである。

だから、パンチャンを前菜だと思う人もいる。

でも、韓国人にとっては少し違う。

韓国料理は、もともと一つの食卓で一緒に食べる

韓国の食事は、ご飯、汁物やチゲ、おかず、そして場合によってはメイン料理までを、一つの食卓に並べて一緒に食べる形が基本だ。

食堂では順番が少し変わる。

すでに用意されているパンチャンが先に出て、ご飯やチゲ、焼き物は出来上がってから出てくることがある。

パンチャンが最初のコースになったわけではない。先にテーブルに届いただけだ。

ご飯、熱いチゲ、複数のパンチャンが一緒に並ぶ韓国の食卓
パンチャンは食事の前だけでなく、ほかの料理と一緒に最後まで食卓に並ぶ。

パンチャンは前菜ではない

パンチャンは、食事の前に食べ終える料理ではない。

基本的には、ご飯と一緒に食事の最後まで食べる。

私はパンチャンが先に出てくると、まず一品ずつ少し味見する。

韓国の食堂で小皿に並んだパンチャン。キムチ、唐辛子の漬物、野菜のおかず、ジョンなどが見える
パンチャンはメイン料理より先に出てくることがある。でも、前菜というわけではない。

ご飯が来たら、同じパンチャンをご飯と一緒にもう一度食べる。単独では少し濃く感じた味が、ご飯と合わせるとちょうどよく感じることも多い。

そうしながらメイン料理を待つ。

先に出てくることはあっても、先に食べ終える料理ではない。

メインが来る前に、ご飯一杯を食べてしまう人もいる

私は、作り置きのおかず(밑반찬, mit-banchan)だけでご飯をほぼ一杯食べてしまった人を見たことがある。

そしてメイン料理が出てくると、ご飯をもう一杯注文した。

韓国人からすると、そこまで不思議な光景ではない。

おいしいパンチャンがいくつかあれば、それだけでもご飯は進む。パンチャンは「本当の料理」の横に置く飾りではない。

パンチャンは食堂だけのものではない

パンチャンは、食堂が無料で出してくれるサービス料理だけを指す言葉ではない。

家庭の食卓にも普通に並ぶ。

あらかじめ作っておき、何度かの食事で食べるおかずを韓国ではよく밑반찬, mit-banchanと呼ぶ。

キムチ、ナムル、漬物、炒め物、煮物など、種類は本当に多い。

キムチもパンチャンだ

韓国料理を知り始めたばかりの人のために、一つだけ付け加えておきたい。

キムチもパンチャンの一つだ。

世界的に有名なので、キムチだけで独立した韓国料理のカテゴリーのように見えるかもしれない。

でも普通の韓国の食卓では、ごく身近なおかずの一つだ。

メイン料理との関係は、食事によって変わる

すべてのパンチャンが、特定のメイン料理を支えるために出てくるわけではない。

韓国の定食「ペッパン」(백반, baekban)を見ると分かりやすい。

ご飯と汁物にいくつものおかずが付くが、それぞれが一つのメイン料理とセットになっているわけではない。基本的にはご飯と一緒に食べる。

一方で、メインとの相性がかなり重要な食事もある。

韓国のクッパ(국밥, gukbap)なら、キムチとカクトゥギ(깍두기, kkakdugi)がよく合う。焼肉店なら、葉野菜、ニンニク、サムジャン、ネギ和えなどが肉と一緒に出てくる。

ご飯を別に添えた韓国のクッパとキムチ、カクトゥギ
クッパにはキムチとカクトゥギがよく合う。

韓国の包み野菜文化(쌈, ssam)については、韓国人が実際にどう包んで食べるのかを別の記事で詳しく紹介している。

つまりパンチャンとメイン料理の関係は、食事によってかなり緩いこともあれば、強く結びついていることもある。

基本のパンチャンは無料で、おかわりできることが多い

韓国の食堂では、基本のパンチャンは食事代に含まれていることが多い。

もう少し欲しければ、追加料金なしでおかわりできる店も多い。

ただし、どの店でも、どのパンチャンでも無制限という意味ではない。

高価な食材を使ったものなど、おかわり不可や追加料金になるものは、別途案内されていることが多い。

全部食べ切れなくても失礼ではない

パンチャンがたくさん並ぶと、「全部食べないと失礼なのでは」と心配する人もいるかもしれない。

もちろん、できるだけ食べ物を残さない方がいい。

でも、出てきた小皿を一つ残らず空にしなければ失礼、というルールはない。

好みに合わないものもあるし、単純にお腹いっぱいになることもある。

無理をする必要はない。

海外の韓国料理店でも、この文化はついてきた

私はフィリピンに住んだことがあり、ヨーロッパでも韓国料理店に行ったことがある。

私が行った店では、海外でも韓国と同じようにパンチャンが最初から付き、無料でおかわりできることも多かった。

それを見るたびに少し面白いと思った。

国が変わっても、韓国料理店にはパンチャンの食べ方まで一緒についてくる。

私には、パンチャンが単なる小皿料理ではなく、韓国式の食べ方そのものの一部だからなのだろうと感じられた。

もちろん、これは私が実際に行った店での経験で、海外のすべての韓国料理店に当てはまる話ではない。

一つの食卓で、いろいろな味を試してみてほしい

私がパンチャンの一番面白いところだと思うのは、一回の食事でいろいろな味を楽しめることだ。

辛いもの、酸っぱいもの、塩気のあるもの、香ばしいもの、あっさりしたものが、同じ食卓に並ぶこともある。

同じ一口のご飯でも、何と合わせるかで味が変わる。

だから韓国の食堂で小皿がたくさん並んでも、構えなくていい。

まず一つずつ味見して、気に入ったものはご飯ともう一度食べてみる。もっと欲しければ、おかわりを頼んでみる。全部食べ切れなくても問題ない。

全部の皿を攻略することが目的ではない。一つの食卓の中で、できるだけいろいろな味を体験してみてほしい。

私は、それが韓国のパンチャンを一番楽しく味わう方法だと思う。

韓国の食事や食文化について気になることがあれば、コメントでどうぞ。分かることならお答えします。


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