最初に、ひとつ告白しておきます。
私は牡蠣があまり得意ではありません。
正確に言うと、牡蠣特有の磯の香りが苦手なんです。生牡蠣はほとんど食べませんし、食べるなら火を通したものを選びます。
それでも、牡蠣が好きな外国人の友人が冬に韓国へ来ると聞いたら、ぜひ韓国の牡蠣料理を食べてみてほしいと伝えると思います。
自分は好きでもないのに、なぜすすめるのか。
韓国では冬になると、牡蠣をいろいろな料理で楽しめるからです。お店によっては盛りもたっぷりで、値段も比較的手頃に感じられます。
高級レストランに行かなくても、身近な食堂で牡蠣料理に出会えるのも魅力です。
韓国で牡蠣がおいしい季節は冬
韓国では寒くなってくると、市場や食堂で牡蠣を見かける機会が増えます。
主な旬は晩秋から春先にかけて。特に11月から3月ごろは、冬の牡蠣を楽しむ季節です。
有名な産地のひとつが、慶尚南道の統営(통영, Tongyeong)や巨済(거제, Geoje)周辺。牡蠣の養殖が盛んな地域で、冬にはさまざまな牡蠣料理を楽しめます。
とはいえ、牡蠣を食べるために南海岸まで出かける必要はありません。
ソウルなどの都市でも冬になると牡蠣ポッサムや牡蠣クッパを出す店があります。スーパーには殻付きの牡蠣や、むき身を袋に詰めた牡蠣が並びます。
冬限定のメニューもあるので、目当てのお店があるなら事前に提供状況を確認しておくといいでしょう。
韓国の牡蠣の魅力は、量と食べ方の豊富さ
以前、フランスのレストランで牡蠣の値段を見て驚いたことがあります。
もともと牡蠣が好きではない私には、なおさら印象に残ったのかもしれません。
韓国では、牡蠣をもう少し日常的な食材として目にすることがあります。
韓国は牡蠣の生産が盛んな国です。もちろん牡蠣はごちそうにもなりますが、冬には普通の食事にも使われます。
ゆでた豚肉と一緒に食べたり、殻ごと蒸したり焼いたり。卵をまとわせて焼くこともあれば、温かいスープに入れてご飯と食べることもあります。
私が韓国の牡蠣をおすすめするのは、こういうところです。牡蠣が好きなら、旅行中にまったく違う食べ方をいくつも試せるんです。
ただし、韓国ならどこでも牡蠣が安い、というわけではありません。季節や産地、牡蠣の種類、お店によって値段も量も変わります。注文するときは、一人前なのか、何人かで分ける料理なのかも確かめてください。
韓国で食べたい6つの牡蠣料理
生牡蠣が好きなら最初の料理から。私のように磯の香りが少し苦手なら、火を通した料理から選ぶのもおすすめです。
1. 生牡蠣(생굴, saenggul)

韓国では、生牡蠣にチョコチュジャン(초고추장, cho-gochujang)をつけて食べることがよくあります。唐辛子みそに酢などを加えた、甘酸っぱくて少し辛いたれです。
たれを少しだけつける人もいれば、何もつけずに食べる人もいます。
私は以前、生牡蠣にタバスコとレモン汁を合わせてみたことがあります。個人的には、その食べ方ならまだ食べやすく感じました。
韓国で牡蠣を買うときに知っておくと便利なのが、次の二つの言葉です。
殻付き牡蠣(석화, seokhwa)は、殻の付いた状態で売られる牡蠣。生で食べるほか、蒸したり焼いたりして楽しみます。
袋入りのむき身牡蠣(봉지굴, bongji-gul)は、殻を外して袋詰めしたもの。スーパーでも見かけ、牡蠣の卵衣焼きや牡蠣スープにも使います。
ただし、殻付きかどうかだけで生食できるかは判断できません。パッケージの表示を確認してください。
2. 牡蠣ポッサム(굴보쌈, gul-bossam)

牡蠣ポッサムは、ゆでた豚肉、生牡蠣、キムチを一緒に食べる韓国料理です。
豚肉を一枚取り、キムチと牡蠣を合わせてひと口で食べます。やわらかな豚肉、キムチの辛味と酸味、そして冷たい生牡蠣。それぞれ違う味や食感を一緒に楽しみます。
大皿で提供されることも多く、何人かで分けて食べるのにも向いています。牡蠣は生で出てくることが多いです。
韓国人が肉や野菜をひと口にまとめて食べる文化については、以前書いた韓国の「サム」の食べ方も参考になると思います。
3. 蒸し牡蠣(굴찜, gul-jjim)

殻付きの牡蠣を蒸して食べる料理です。韓国の海鮮料理店では、大きな皿や蒸し器に入って出てくることもあります。
殻をひとつずつ開き、温かい牡蠣を取り出して食べます。
たれをつけてもいいですが、牡蠣そのものの味が好きな人なら、最初のひとつは何もつけずに食べてみてもいいかもしれません。
何人かでテーブルを囲みながら、ゆっくり楽しめる料理です。
4. 焼き牡蠣(굴구이, gul-gui)

蒸し牡蠣が蒸気で火を通す料理なら、こちらは牡蠣を焼いて食べる料理です。
韓国では、殻付きの牡蠣を網や鉄板にのせて焼くことがあります。焼けるのを待ちながら、殻から身を取り出して食べるのも楽しみのひとつ。
同じ牡蠣でも、蒸すのと焼くのとでは食感や風味が変わります。
自分たちで焼くお店では、熱くなった殻や飛び散る汁に気をつけてください。
5. 牡蠣の卵衣焼き(굴전, gul-jeon)

小麦粉と溶き卵をまとわせた牡蠣を、フライパンでこんがり焼いた料理です。韓国では「クルジョン」と呼びます。
卵のやわらかな衣の中に、牡蠣の味が残っています。
食堂で注文できるほか、スーパーで買った袋入りのむき身牡蠣を使って、家庭でも作れます。
生牡蠣のつるっとした食感が苦手な人にも、比較的食べやすい一品。私なら、生牡蠣よりこちらを選びます。
6. 牡蠣クッパ(굴국밥, gul-gukbap)

今回紹介した六つの中で、私がいちばんよく食べていたのは牡蠣クッパです。
有名店で食べていたわけではありません。ごく普通の近所の食堂で、普段の食事として食べていました。
牡蠣クッパは、牡蠣の入った温かいスープとご飯を一緒に食べる料理です。ご飯が最初からスープに入っているお店もあれば、別々に出すお店もあります。
寒い日に温かいスープとご飯を食べる。韓国ではごく身近な食事の風景です。
生牡蠣が苦手な私でも、牡蠣クッパなら比較的食べやすく感じます。
韓国で牡蠣を食べる前に知っておきたいこと
まず、生か加熱調理かを確認しましょう。
牡蠣クッパ、牡蠣の卵衣焼き、蒸し牡蠣、焼き牡蠣は火を通す料理です。一方、牡蠣ポッサムには生牡蠣が添えられることがよくあります。
次に、一人前か取り分ける料理かを確認しましょう。
牡蠣クッパは一人ずつ注文することが多く、蒸し牡蠣や焼き牡蠣は何人かで分ける形もあります。
スーパーで牡蠣を買う場合は、表示を確認しましょう。
殻付きでもむき身でも、生で食べられるかどうかは見た目だけでは分かりません。保存方法、消費期限、そして生食用か加熱調理用かを確認してください。
牡蠣料理を食べること自体に、必要以上に神経質になることはありません。適切に扱われ、十分に加熱された牡蠣料理なら楽しみやすいでしょう。
ただし、生牡蠣には食中毒の原因となるノロウイルスなどのリスクが残ります。レモン汁や辛いたれをかけても、そのリスクがなくなるわけではありません。
心配なら、しっかり火を通した料理を選んでください。加熱調理用と表示された牡蠣は、必ず十分に加熱して食べましょう。
牡蠣好きなら、韓国の冬にぜひ一度
私はこれからも、生牡蠣が大好きになることはなさそうです。
それでも、牡蠣が好きな人には韓国の冬の牡蠣料理をおすすめしたいと思います。
自分が好きな食べ物でなくても、ほかの人にすすめたくなるものってありますよね。
冬の韓国を訪れることがあれば、気になる牡蠣料理をぜひ試してみてください。私と同じように生牡蠣が苦手なら、まずは牡蠣クッパやクルジョンから。
みなさんは牡蠣が好きですか? 韓国で食べたことがあるなら、どの牡蠣料理がいちばん気に入りましたか?
韓国の食べ物や旅行について知りたいことがあれば、コメントで質問してください。私に分かることなら、お答えしたいと思います。

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